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  • tokuhata

RED社とニコンの特許訴訟問題が終結

更新日:2023年11月12日



 RED社とニコンの特許訴訟問題が終結したらしいとの記事が掲載されました。陪審員裁判は来年2024年1月に予定されていたのでそれを待たずして両社が何らかの和解に達したようです。以下の記事では「棄却」という用語を使っていますが "joint dismissal"であり、何らかの条件に基づく両社合意による取り下げのようです。以下は、Nikon Rumors、Petapixelからの引用です。


*** Nikon Rumors、Petapixelから引用

Nikon Rumors:

https://nikonrumors.com/2023/04/27/red-vs-nikon-patent-lawsuit-dismissed.aspx/


“Plaintiff Red.com, LLC and Defendants Nikon Corporation and Nikon Inc. hereby stipulate and move pursuant to this joint motion, under Federal Rule of Civil Procedure 41(a)(1)(ii), that this action be dismissed without prejudice as to all claims, counterclaims, causes of action, defenses, and parties, with each party bearing their own attorney’s fees and costs.”



Petapixel 要約(要点のみ引用、原文は下記リンク参照)

https://petapixel.com/2023/04/27/reds-lawsuit-against-nikon-dismissed-z9-gets-to-keep-compressed-raw/


REDのニコンに対する動画圧縮特許侵害訴訟は棄却され、ニコンが内部圧縮RAWを使用し続けることが認められた。


昨年5月、REDは、ニコンがZ9のファームウェアアップデートにおいてREDのデータ圧縮技術に関する特許を侵害しているとして提訴した。この訴訟では、ニコンが「ビデオデータを視覚的にロスレス圧縮できるビデオカメラ」について7つの特許を侵害した、とREDが主張していた。


9月、ニコンは反撃に転じ、REDの特許の有効性に異議を唱え、そもそも特許が許可されるべきではなかったと主張した。ニコンは、REDが過去に他社を訴えた複数の訴訟についても特許性の条件を満たしていないため無効であると付け加えた。


本日、両社はルール41に基づいて合意し、事実上訴訟を終結させた。


ルール41の棄却はさまざまな意味を持つのでかなり曖昧だ。重要なことはそれが両社共同で取り下げられたことである。将来的に何かが起これば再び裁判所に持ち込まれる可能性がある。両社が何を決定したのか世間は知る由もないが訴訟を続けるコストよりも良いと判断したのは間違いないだろう。


この件が過去と未来の事件に影響を与える可能性があるかという質問に対して、ASMPの最高法務責任者は、可能性があると答えている。他の企業はこのケースを参考にして和解に向けて同じように事を進めようとするだろう。和解が成立すれば、どちらの側が合意書を推進しても、多くの場合「二度と訴えることはできない」という文言が含まれる。したがって、過去の訴訟よりも今後の訴訟に影響を与える可能性が高く、他の企業は間違いなく今回のケースを参考にするだろう。


YMCinemaは、ニコンがREDに特許の使用権を支払うことに同意したのではないかと推測しているが、ニコンがREDへ反訴していたことを考えるとその可能性は低い。


REDは裁判の進行が不利であると疑われるため裁判を起こしたくないと考えているようだ。REDが特許の弱体化を避けるため、裁判を避けた可能性がある。ある裁判所が特許を無効と判断すればそれが別の特許に連鎖する可能性があるからだ。


どのような理由であれ、ニコンは今のところ同社のカメラで内部圧縮RAWを提供し続ける自由がある。これは、ニコンと同社のカメラを使用する映画制作者の双方にとって有益なことだ。


*** 引用ここまで


 原文には複数回出てきますが、"dismissal without prejudice"は、法的には(時効内であれば)後日再提訴できることを意味するようです。とりあえずは終結しましたが将来何かが起これば再燃する可能性があります。火種は残したままということではないでしょうか。


 ニコンは、アップルやソニーが敗訴したケースとは別の論点で徹底抗戦の構えを見せていたので少々拍子抜けの感は否めません。ニコンの反訴はかなり説得力があり、有利に見えたので、今回の取り下げにあたってはニコンに有利な条件で和解したのではないかと推測します。ニコンの反訴については過去のブログ記事に書いていますのでよろしければご参照ください。




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